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代表者ご挨拶Messege

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私たち株式会社神戸万吉商店のミッションは、この地で受け継がれてきた技術を活用して、革新的な製品とサービスをご提供し続けることです。

弊社が位置する群馬県下仁田町の地場産業にはコンニャク産業と養蚕業があります。
コンニャク産業と養蚕業で培ってきた技術と、次々と生まれる新しいニーズとを結合させるために、これらの技術を徹底的に見直してまいります。

自社技術の方向性はもはや時代のニーズに合っていない?=自社技術の見直し=

これは経営者として、また技術者として非常にショッキングなことですが、例えば弊社のコア事業であるコンニャク原料について考えると、これまで市場では「良いコンニャクの原料」(=グルコマンナン純度が高く、高粘性で、高白度のもの)を過不足なく供給することが求められ、弊社でもこの技術を追求してまいりました。

この市場ニーズの背景には、原料供給体制が発展途上で天日干しによる自然乾燥や、当時の水車と臼(うす)を用いた製粉技術がまだまだ未熟であったことがあります。しかし、現在では火力による自動乾燥プラントと、自動製粉プラントの整備でこの課題はほぼ解決されています。

他方でコンニャク原料を“食品素材”としてとらえた場合を考えてみると、もしかしたら高純度、高粘度、高白度は求められていないかもしれません。(むしろ高純度ゆえの高粘度が反対に用途を狭めてしまっている可能性すらあります)また「美味しいコンニャクの原料」とは何なのかと考えた場合にも、まだまだ原料加工段階で試行錯誤できる余地があると思っています。

そこで、弊社は平成24年に新しい時代のニーズに沿ったコンニャク原料を開発する「コンニャク2.0構想」と、伝統的なコンニャクを受け継ぐ(または再発見する)「コンニャク1.0構想」を立ち上げました。

弊社は今後もこんにゃくという日本独自の食文化をより進化させていくために、半世紀以上のあいだ培った技術と知見を活かして新しいこんにゃくの可能性を追求してまいります。

ビジネスチャンスは、時代の変化の中に埋もれていた!=地域に受け継がれる技術の見直し=

時代の変化とともに衰退した地場産業の中にも新しい用途を開拓することで、受け継ぎ活用できる技術が多くあります。これは見直しと言うよりも再発見と表現したほうが適切かもしれません。

この地域で受け継がれている多くの技術の中で、弊社が最も注目したのが養蚕に関する技術です。

下仁田が位置する、群馬県甘楽富岡地域は官営富岡製糸場で知られるように、江戸末期から明治にかけて養蚕業が隆盛を極め、当時世界最大規模を誇った製糸場を支える養蚕地帯でした。事実、創業者の神戸万吉は製糸業を営んでいましたし、私の幼少時代にはまだ下仁田町のいたるところに桑畑が広がっていました。

消えかけている世界一の養蚕技術をどうにかして受け継ぎ、活用できないかと平成14年より自社圃場を新たに整備して桑の栽培を開始し、平成18年より桑の葉のサプリメント原料としての供給を開始しました。現在では下仁田町内に2ヘクタールの有機桑畑をよみがえらせ、維持管理をしています。

さらに、平成23年には「マルベリープロジェクト」を立ち上げ、公立大学法人・前橋工科大学と連携して「効率的な高機能性桑茶製造方法の開発に関する研究」を開始し、桑の葉の可能性と用途拡大を行っております。

弊社は今後も桑の葉の用途拡大と地場産業の新しい応用利用に向かって日々活動してまいります。

ドリームマップの実現のために=そして、次世代への継承にむけて=

ここまで、私の挨拶にお付き合いくださいましてありがとうございました。
神戸万吉が創業して60年、私が事業を引き継いで30年が経過しました。少しずつではありすが、この先を担う世代が成長しています。長い時間のなかで少し視野が狭まってしまった私では考え付かないような、ニュートラルな発想を時には垣間見せてくれ、今後が非常に楽しみです。

ご紹介しましたプロジェクトや構想を展開するにあたり、2011年に自社ラボ(研究室)の整備を行いました。このラボでは、基礎的な品質管理や微生物検査を行う設備を整えてありますが、私の目指す自社ラボの姿は「大きな台所」です。

数百万円もする高価な分析機器は必要ありません。そこに必要なものは、どこにでもある家庭用調理器具と、革新的で自由な発想です。閃いたアイデアをスピーディーに形にできる小回りのきくラボで、コンニャクと桑の可能性を追求し、胸を張って次世代へ地場産業を継承できるように日々邁進してまいります。

平成25年1月1日  
代表取締役 神戸春巳
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